【便秘薬】アミティーザとはどんなお薬?

浜松の腸もみ専門
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今回はアミティーザというお薬について解説をしていきます。

アミティーザとはどんなお薬?

アミティーザは、「クロライドチャネルアクチベーター」と呼ばれる新しい作用を持った、慢性便秘症の治療薬です。
小腸上皮にある「クロライドチャネル」と呼ばれる構造を活性化し、腸管内への水分の分泌を増加させ、便を柔らかくすることによって、排便作用を促します。(わかりにくいですね….^^;)

アメリカでは、少量を便秘型過敏性腸症候群の治療に使うことがあります。(日本でも最近は処方されることあり)

このお薬は、まとめると
小腸に作用して水分の分泌を増やす

便を柔らかくして便を出やすい状態にする

自然な排便を促す

という作用を持っています。

酸化マグネシウムなどの塩類下剤は大腸で作用しますが、
アミティーザは、小腸で作用します。
小腸に作用するので、下痢になりにくく、自然な排便が促しやすいとされています。

一般的な慢性便秘症に処方されたり、別に病気がある方にも使われるお薬です。
しかし、大腸に腫瘍がある場合などの便秘には向いていません。

アミティーザの副作用は?

副作用としては、
・下痢
・腹痛
・吐き気、嘔吐
・腹部不快感
・息苦しさ、息が詰まる感じ
・胸部不快感

などが挙げられます。

妊娠中や授乳中は禁止されていますのでご注意ください。

アミティーザの注意点

アミティーザは、便秘の時に頓服で内服するというわけではなく、
定期的に服用し、便秘を改善するお薬です。プルゼニドのような即効性はありません。
しかし、服用から24時間以内に、半数以上の方に自然排便が観察されているという臨床上の結果があるそうです。

飲み続けることが必要なお薬です。

【便秘薬】酸化マグネシウムとはどんなお薬?どんな時に使うと良い?

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今回は、便秘薬で一番使われているのでは!?という
「酸化マグネシウム(マグミット)」についてご紹介します。

酸化マグネシウムとはどんなお薬?

便秘薬の分類では「非刺激性」のお薬に分類されます。
よくいう「クセの出にくいお薬」ですね。

非刺激性のお薬には2種類あり、
・膨潤性下剤:腸管内で膨張して便のかさ増しを行う、
・塩類下剤 :便に水分を与える薬など

があります。

「酸化マグネシウム」は、非刺激性の塩類下剤に該当します。

腸の中の浸透圧を利用して、便に水分を与え、軟らかくして便を出しやすくします。

水分を利用して排便するお薬なので、たっぷりのお水で飲むと良いです。
クセになりにくいお薬なので、便秘で病院を受診すると、
第一選択で、酸化マグネシウムを処方されることが多いです。
妊婦さんにも使えるお薬です。

市販でも販売されるようになり、手に入りやすい便秘薬の1つです。

酸化マグネシウムの副作用は?

主な副作用には
・悪心、嘔吐
・口渇
・下痢
・血圧低下
・徐脈
・皮膚潮紅
・筋力低下
・傾眠 

などが挙げられます。

また、腎機能が落ちている人は、血液中のマグネシウム濃度が上昇してしまうので注意が必要です。

・気分不快
・血圧低下
・心停止
などを引き起こす「高マグネシウム血症」になる可能性があるので、必ず医師の指示に従って内服をしてください。
また、他の薬の吸収を妨げる場合もありますので、注意が必要です。

酸化マグネシウムはどんな時に使うと良い?

便秘薬を試してみようかなと思っている方の第一選択薬として、使えるお薬です。
・初めて便秘薬を服用される方
・便秘薬を飲んでお腹が痛くなるのが怖い方
・刺激性の便秘薬をやめたいと思っている方
・クセになるのが嫌な方
に選んでいただきやすいお薬だと思います。

サロンでも、刺激性の便秘薬を使っている方に、酸化マグネシウムへの変更を提案をさせていただくこともあります。(カウンセリング後です)

便秘薬【ラキソベロン】とはどんな薬?

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今日は先日に引き続き
便秘薬の解説を記載していきます。

「ラキソベロン」というお薬です。
意外と使ったことがある方も多いお薬ではないでしょうか?
副作用などをおさえていきましょう。

ラキソベロンとはどんなお薬?

ラキソベロンは、液体と錠剤に分かれています。
大腸の粘膜を直接刺激→ぜん動運動を活発にさせるのと、大腸から水分が吸収されるのをおさえることで便を軟らかくして排便を促進させるお薬です。

大腸にあるアリルスルファターゼという酵素で分解されてから効果を発揮する成分で、胃や小腸ではほとんど作用ないので、大腸でしっかり働くお薬です。

ラキソベロンの飲み方は?

ラキソベロンの飲み方について、症状別に目安はありますが、医師が年齢や症状に合わせて調整するため、医師の指示を守ってご使用ください。

ラキソベロン内用液については、症状に応じて使用量を少しずつ調節しやすいのが長所です。無色でわずかに粘性がある液体で、においはあまりありませんが甘味があります。

ラキソベロン内用液はコップにお水を入れて、その中に滴下して、お水と一緒に飲むお薬です。
医師の指示の滴下量を入れて、排便状況に合わせて量を調節していきます。

ラキソベロンの副作用

ラキソベロンの副作用は
腹痛、吐き気、嘔吐、 腹部膨満感、腹部不快感、下痢などがあります。
副作用が見られた場合は、必ず医師に相談を。

また、ラキソベロンは、刺激性の便秘薬になるので、長期に毎日内服すると効果が感じられなくなる=腸の動きが悪くなるお薬です。

内服するとしても、どうしても便秘で苦しい時など、医師の指示に従って内服するようにしてくださいね。

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便秘薬【モビコール】とはどんな薬?

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今日は便秘薬の【モビコール】について書いていきます。

モビコールとはどんな薬?

今まで、日本では大腸検査前の腸管洗浄の際の下剤として使われていたお薬です。
海外では慢性便秘の患者さんに一番使われているお薬で、2018年に日本でも便秘のお薬として認証がされたお薬です。

モビコールは腸管ではほとんど吸収されず、そのまま溶かした水と共に大腸に届きます。
便の水分量が増えて、便が軟らかくなり、便の量が増えます。
便の量が増えることで、大腸を刺激して、ぜん動運動が活発になり、便秘を解消する効果が期待できます。

下剤の種類としては、「浸透圧性下剤」になります。
酸化マグネシウム(マグミット)などと同じ種類です。
酸化マグネシウムなどで効果が不十分な場合は、モビコールが処方されることがあります。

どんなふうに飲むの?

粉末になっているお薬を、お水などに溶かして飲むお薬です。
便の性状により1回あたりの用量は調節可能です。
水で飲みにくい場合は、リンゴジュースなどに溶くのも良いです。

2歳〜処方が可能なお薬なので、お子さんはジュースなどに溶くのが良いかもしれません。

モビコールを飲むメリット・デメリットは?

便秘薬の中でも「浸透圧性下剤」になるので、
非刺激性の下剤になります。(癖になりにくい,というイメージですね)
刺激性の「センノシド」などを飲むのが怖い、腹痛が辛いなどの場合、または酸化マグネシウムが飲めない方などは良いかもしれません。

今までは、便秘薬=酸化マグネシウムを処方する医院が多かったのですが、
高齢者や腎機能障害者では高マグネシウム血症(嘔吐、徐脈、ひどくなると低血圧皿には心停止)のリスクがあること、
欧米ではモビコールが治療の第一選択薬となっていることから、モビコールを処方する医院も増えているそうです。
なので、高齢の患者さんにはこのモビコールを処方する医院が増えているのだと思います。

しかし、モビコールは他のお薬に比べて値段が高いので(マグミットの約10倍)、毎日続けて内服をすると、お金が掛かるそうです(負担額にもよりますが)

薬なしで排便できるのがやはり一番…..なのかなと思います。

参考になれば幸いです。

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便秘薬ダイエットの危険性を徹底解説!

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ダイエット中の女子にとって便秘は大敵!

そんな時に、使いたくなるのが「便秘薬」。

便秘薬ダイエットの危険性をお話ししますね。

便秘薬ダイエットとは?

便秘薬ダイエットとは、名前の通り便秘薬を飲んで、排便をして体重を落とすというダイエット?方法です。


便秘薬とは何?

そもそも、便秘薬とはどんなものなのか?

便秘薬の詳細は、こちらに記載がありますのでもしお時間がありましたらご覧になってみてくださいね。

特にダイエット中に使いやすいのが「刺激性の便秘薬」です。

腸壁を刺激して腸の弱った運動を活発にさせて排便を起こさせます。
腸を刺激して排便を促すので、強い腹痛も生じやすいです。

習慣性があり、癖になりやすい便秘薬です。
長期的な使用は避けるべき薬です。

よく使われるものはこちら▼
アントラキノン誘導体・・・ダイオウ、センナ、アロエ
(スルーラック、コーラックなどが該当します)

大腸を刺激して、蠕動を高め排便を促すお薬です。
長期に内服すると耐性が増し、薬に頼りがちになるので長期投与は避けましょう。


【副作用】
 発疹 、 脱水 、 血圧低下 、 腹部不快感 、 大腸メラノーシス 、 腹痛 、 下痢など


便秘薬ダイエットの効果は?

私自身も20代前半の頃やってみたことがあります。
便秘薬を飲むと、びっくりするほどの便が出て、お腹がすっごくスッキリした気になります。

そして、体重を測ると、1kg減っている!

体重が増えたと思ったら、便秘薬を飲んで便をいっぱい出して・・・
の繰り返しをしていました。

ネットで調べてみると、同じようなことをお話しされている方が結構たくさんいらっしゃいました・・・。

便秘薬ダイエットのデメリットは?

便秘薬ダイエットは、便秘薬を飲み続けなければいけないダイエット方法ですね。

便秘薬を飲むと、出てくる悩みは

・だんだん便秘薬が効かなくなってくる
・だんだん便秘薬の量が増える

などでしょうか。

便秘薬に依存した状態を作り出してしまうのです。

また、便秘薬を飲んでいると
・脱水傾向になりやすい
・腹痛で吐き気が起こる
・下痢便しか出ない
・腹痛があって、いつ波がくるかわからない不安がある
・腸内細菌が非常に弱くなる

などの副作用症状も出やすくなります。

便秘薬に依存した状態が続いてしまうと、
そこから抜け出すのにすごく時間がかかります。

さらに、便秘薬がないと、排便できない状態にもなってしまいます。
自然な排便ができないので、薬ありきの排便になってしまう恐ろしい状態です。
(私は完全にこの状態でした)


便秘薬ダイエットは今すぐやめるべき!

私の経験から言わせていただくと、便秘薬ダイエットはお勧めしません。

その場しのぎでしかないからです。

腸の状態を根本から変えていくことが大事です。

ぜひ、便秘薬で排便するのではなく、
自然な便がするんと出せるようになると、お腹のむくみもすごく変わってきますよ!

腸活が気になる方は、ぜひご相談くださいね。

【便秘薬について】グーフィス錠とは?解説します。

浜松市の腸専門サロン
3D腸デトックス&リンパエステサロンaoiです。

2018年に登場した、便秘薬の新薬
「グーフィス」をご存知ですか?

これまでの便秘薬とは作用機序が違うこの薬。

効果やリスクについて解説します。

今まで飲んでいた便秘薬にはどんなものがある?

まず、他の便秘薬はどんなものか?
興味のある方はこちらをご覧ください。
過去記事『便秘薬の副作用とは?便秘薬の種類や副作用を徹底解説!』

https://chosalonaoi.com/benpiyaku_fukuasyou_fukutsu/

こちらに記載がある通り、
便秘薬には大きく2種類があります。

1.浸透圧性下剤

(酸化マグネシウムなど)

胃の中で胃酸を中和するとともに、腸内では水分の再吸収をさせないようにして、便に水分を与えてくれて、腸の蠕動運動を促し、排便をしやすくしてくれます。
水分を必要とするお薬なので、水をしっかりと飲む必要があります。

習慣性が少なく、長期間の使用ができます。

2.刺激性下剤

腸壁を刺激して腸の弱った運動を活発にさせて排便を起こさせます。
腸を刺激して排便を促すので、強い腹痛も生じやすいです。
習慣性があり、癖になりやすい便秘薬です。長期的な使用はやめましょう。

よく使われるものはこちら▼

アントラキノン誘導体・・・ダイオウ、センナ、アロエ
大腸を刺激して、蠕動を高め排便を促すお薬です。
長期に内服すると耐性が増し、薬に頼りがちになるので長期投与は避けましょう。

グーフィスとはどんな薬?

では、グーフィスという便秘薬はどんな薬なのでしょうか?

胆汁酸の再吸収を抑制し、大腸内に流入する胆汁酸の量を増加させることで、大腸内で水分および電解質を分泌させ、さらに消化管運動を亢進させて便秘治療効果を発現します。
通常、慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)の治療に用いられます。
(https://www.rad-ar.or.jp/siori/kekka.cgi?n=44943 くすりのしおりより引用)

今までの便秘薬は、
くすりの作用で腸を刺激したり、水分の吸収を促したりする薬でしたが
グーフィスはその両方を兼ね備えた薬とも言えます。

今までの便秘薬で効果がなかった方など、
医師の処方で内服する方が増えているお薬です。

胆汁酸とは?

ここで出てくる「胆汁酸」とはなんでしょうか?

胆汁は、肝臓で作られて、胆嚢に蓄えられます。
胆嚢は肝臓付近にある小さな袋です。50〜60ml貯蔵ができます。

胆汁は、食事をしたときに消化を助けるために分泌される消化液です。
特に、脂質を乳化して小腸から吸収しやすくするのが胆汁の役割です。
その主成分になるのがこの胆汁酸です。

胆汁酸は、脂質の消化や吸収を助ける働きの他に、
大腸管腔内に水分を分泌させ、さらに腸粘膜に作用して蠕動運動を促進させる働きがあります。
そのため、腸管内の胆汁酸が不足してしまうと便秘を発症してしまいます。

年齢とともに、脂っこい食べ物を体が受け付けない感じはありませんか?
これは年齢とともに胆汁の分泌が減るのが原因です。
なので、高齢になり便秘を発症する場合は、グーフィスを処方されることがあるでしょう。

胆汁中の胆汁酸は80%以上が再吸収されて、肝臓に戻り再利用されます。
この再吸収を阻害するのがグーフィスです。
胆汁酸の再吸収が抑制されるため、腸管内の胆汁酸が増え、便秘治療効果が発現されるということです。

副作用について

副作用でよく聞かれるのは、腹痛や下痢、嘔吐です。
今までの便秘薬の効果の良いとこ取りをしているグーフィスはやはり効果も強いようです。
症状に応じて減量や中止を考慮する必要があります。

また、内服しているお薬がある方は、飲み合わせが悪いお薬もあります。
さらに、胆汁酸がもともと出にくい肝障害のある方は効果が得られにくいため、内服は慎重にする必要があります。

グーフィスの内服を止める場合はどうしたら良い?

まずは、処方してもらっている医師に相談をしましょう。
やはり、効きすぎてその都度下痢をしてしまう・・という場合などは頻度を下げたり、内服の中止を検討することも必要です。
下痢をすることで、良い腸内細菌も悪い腸内細菌も洗い流されてしまうので、腸内環境がさらに悪化してしまうのです。
また、強い刺激で排便をすることで、自身の腸の機能をさらに低下させてしまう可能性もあります。

できれば、便秘薬は非刺激性のもの(酸化マグネシウムなど)を使い、
本当に本当に困った時にグーフィスやセンノシドなどの強い刺激性のお薬を使っていくことが良いでしょう。

胆汁酸の分泌を促すための食事改善方法もあります。
まずは、食事改善をして便秘薬と上手に付き合っていきましょう。


胆汁酸を増やす食事

胆汁酸を増やしてくれる作用のある食材もご紹介します。

杜仲茶
胆汁酸の分泌をよくするとされる、杜仲茶に含まれるアスペルシドと呼ばれる成分です。
このアスペルシドも、胆汁酸の再吸収を抑え、新しい胆汁酸を作ってくれます。
効果を得るには、3~6gの茶葉を煮出して1リットル飲むのが目安です。

これ以外には、長粒米(インディカ米)、もち麦、納豆(1日1パック)、海苔
などが胆汁酸を増やす食材として挙げられます。

古い胆汁酸を流すには腸もみも効果的

古い胆汁酸は、便とともに排泄されます。
しかし、大腸内に便が滞っていると、古い胆汁酸として再吸収されるだけでなく、腸内の悪玉菌が有害物質に分解し、大腸癌の原因になるとも言われています。

また、胆汁をどんどん入れ替えていく必要もあります。
消化・栄養の吸収・免疫細胞の生成などの働きを持っている「小腸」は、リンパ管が張り巡らされていて、老廃物を運び出してくれています。
なので、小腸をマッサージすることで、余分な水分や老廃物を排出しやすくなり、胆汁もどんどん入れ替わっていきます。

ぜひ、腸もみも合わせてやってみてくださいね。

まとめ

新薬であるグーフィスは、今までの便秘薬とは全然違う作用機序で、便秘薬の効果の良いとこどりをしたお薬です。
ただし、人によっては刺激が強いので、腸内環境を悪化させ、自分の力での排便が難しくなってしまう可能性もあります。
内服をする場合は、必ず医師に相談をして内服をしていただけたらと思います。

便秘薬の副作用とは?便秘薬の種類や副作用を徹底解説!


便秘に悩み、便秘薬を使っている方も
いらっしゃると思います。

便秘薬も使い方によっては
副作用が出てしまうこともあるので
便秘薬の種類や副作用について解説していきます。

便秘とは

本来、毎日排便があるのが健康な状態です。

便秘とは、3日以上なかったり、便が硬くて量が少なく残便感があったりする状態を言います。

女性に多く、排便が困難になるほか、腹痛、腹部膨満感、食欲不振などの症状もあらわれます。肌荒れや肩こりなど、全身に影響が出ることもあります。

(トイレの写真)

便秘の種類と原因

機能性便秘

[弛緩性便秘]=大腸の運動が低下

便秘の中でも頻度が高く、女性や高齢者に多い便秘のタイプです。

腸管の緊張がゆるんでしまい、ぜん動運動が十分行われないため、大腸内に便が長くとどまり、水分が過剰に吸収されて硬くなるタイプの便秘です。


おなかが張る、残便感、食欲低下、肩こり、肌荒れ、イライラなどの症状も起こります。

【原因】運動不足、水分不足、食物繊維不足、腹筋力の低下、極端なダイエットなど


[けいれん性便秘]=大腸の過緊張

副交感神経の過度の興奮によって腸管が緊張しすぎてしまい、便がうまく運ばれずに、ウサギのフンのようなコロコロとした便になるタイプの便秘です。

食後に下腹部痛、残便感などの症状があることも。また便秘と下痢を交互にくり返すことも多い。

【原因】精神的ストレス、環境の変化、過敏性腸症候群など


[直腸性便秘]=直腸に便が停滞

便が直腸に達しても排便反射が起こらず、直腸に便が溜まってしまい、うまく排便できなくなるタイプの便秘です。

【原因】排便を我慢する習慣がある人や痔の人に多い


②器質性便秘

イレウス、大腸がん、腸管癒着などの器質的な原因があって、消化管(小腸・大腸)に通過障害が起こる便秘です。

血便、激しい腹痛、嘔吐などがあればすぐに病院へ行きましょう。このような便秘では腸管穿孔を起こすおそれがあるので下剤を使用してはいけません。

(便秘の女性のイラスト)

便秘薬の種類と副作用

1.浸透圧性下剤

(酸化マグネシウムなど)

胃の中で胃酸を中和するとともに、腸内では水分の再吸収をさせないようにして、便に水分を与えてくれて、腸の蠕動運動を促し、排便をしやすくしてくれます。

水分を必要とするお薬なので、水をしっかりと飲む必要があります。

習慣性が少なく、長期間の使用ができます。

【副作用】

悪心、食欲不振、また長期服用により高マグネシウム血症を起こすと、だるさや力が抜けたような感じが起こることがある。 

(便秘薬のイメージ写真)

2.刺激性下剤

腸壁を刺激して腸の弱った運動を活発にさせて排便を起こさせます。

腸を刺激して排便を促すので、強い腹痛も生じやすいです。
習慣性があり、癖になりやすい便秘薬です。長期的な使用はやめましょう。

よく使われるものはこちら▼

アントラキノン誘導体・・・ダイオウ、センナ、アロエ

大腸を刺激して、蠕動を高め排便を促すお薬です。

長期に内服すると耐性が増し、薬に頼りがちになるので長期投与は避けましょう。

【副作用】
 発疹 、 脱水 、 血圧低下 、 腹部不快感 、 大腸メラノーシス 、 腹痛 、 下痢など

【解説】大腸メラノーシスとは
大腸メラノーシスとは、
大腸粘膜に色素が沈着し、大腸が黒くなった症状です。 
この大腸メラノーシスの主な原因となるのが、
・アロエ
・センナ
・ダイオウ
を含む下剤です。
いわゆる刺激性の下剤です。

市販の便秘薬に含まれていることが多くあります。

大腸粘膜に少しずつダメージを蓄積させて色素の沈着が起こります。

ブログ画像
(腸が傷んだイメージのイラスト)

痛みなどの自覚症状はありません。
しかし、腸の機能低下により
腸本来の働きが弱くなるため、
ますます便秘が重くなりさらに下剤を服用しないと排便できなくなったりします。

結果的に下剤の依存につながります。

(刺激性下剤のイメージ画像)

直腸刺激剤(坐薬)

・直腸粘膜を直接刺激し、排便反射を起こさせる薬

・肛門から挿入後、体温で温められて、直腸内で炭酸ガスを徐々に発生しその刺激で排便を起こさせる薬

【副作用】
軽度の刺激感、下腹部の痛みやまだ便が残っているように感じることがある。

(座薬のイメージ画像)

便秘薬の使い方

便秘だからと毎日刺激性下剤を内服している方も多いと思います。
しかし、その使い方はあなたの腸の働きを弱め、余計に便秘を悪化させてしまっています。

便秘薬を使う場合の使い方をお伝えします。

  1. 基本は酸化マグネシウムの使用
  2. 刺激性下剤は旅行時などの緊急の便秘時に使用
  3. 刺激性下剤を使う場合は、毎日ではなく日数を空けて使用する
  4. 便秘薬ではなく、腸内細菌に作用するお薬を使う

⑴基本は酸化マグネシウムの使用

酸化マグネシウムは、基本的には癖にならず、飲み続けても腸の動きが弱まるということは報告はされていません。
病院で便秘治療に最初に使われるお薬は、この薬です。
まずは、酸化マグネシウムを使用して便秘が解消するか試してみましょう。

2.刺激性下剤は旅行などの緊急時に使用する

 刺激性下剤は無理矢理腸に刺激をして排便を促すお薬です。
本当に困った時には役立つお薬ですが、常用すると腸の機能が弱まり、または大腸メラノーシスなどの症状を引き起こす可能性もあります。さらには、副作用で強い腹痛や嘔気などを催す可能性があります。 緊急時の仕様に留めるのが良いでしょう。

3.刺激性下剤を使う場合は、毎日ではなく日数を空けて使用する

 前述したように、刺激性下剤は一時的な便秘の解消にはつながりますが、自身の腸の動きを弱めてしまうお薬です。毎日の使用はお勧めしません。
 とは言え、便秘に悩み毎日使用されている方も多いのが事実です。
毎日使うのではなく、まずは2日おき、1週間に1回にする、等にしてお薬を内服する頻度を減らしていきましょう。少しずつでも減らしていくことで、結果的には、刺激性下剤を使用しなくても排便ができるようになっていきます。

4.便秘薬ではなく、腸内細菌に作用するお薬を使う

 便秘薬を使用するのではなく、ビオフェルミン、乳酸菌、酪酸菌などの腸に作用してくれる善玉菌を摂取できるお薬を使用することもお勧めです。

 腸内細菌は善玉菌と悪玉菌、日和見菌の大きく3つに分けられます。便秘で、無理矢理下剤を使用して排便していると、下痢になりやすくなります。
下痢になると、良い菌も悪い菌も洗い流されてしまうと言われています。
そのため、100種類以上腸内細菌がいることが望ましいのですが、その半分くらい、または半分以下となってしまうことも。
すると、さらに腸内環境は悪化してしまうことに・・・。

 腸内細菌を良いバランスで整えてあげるためにも、腸内細菌を補うお薬を使ってあげることも便秘の腸を改善していくのには良いでしょう。

まとめ

便秘薬の使用は、本当に困った時などには使用をすることは良いと思います。
例えば、旅行先などで突然の便秘に困った時に刺激性下剤をやむを得ず使うのは仕方のないことです。

生理前の便秘、水分不足で便がカチカチになってしまって出なくなってしまうこともあると思います。困った時に、便秘薬の力を借りるのは悪くはないことです。
しかしその場合は、「酸化マグネシウム」を使っていただくことをお勧めします。

刺激性下剤を使えば一時的には便秘が解消し、
問題は解決されたように思われます。

しかし、実際には便秘を悪化させていて
自分の腸の力をどんどん弱らせてしまっているだけなのです。

根本からの便秘改善を目指すのならば
刺激性下剤は使わずに、
酸化マグネシウムなどのお薬の力を借りながら
本来の腸の力を取り戻しましょう。

便秘解消には腸もみもお勧めです。
外側からの刺激で、自然な腸蠕動を促すことができます。

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